キャラクター

■明智光秀:無双先行のキャラクター

戦国無双シリーズの明智光秀戦国BASARAシリーズの明智光秀

初出:PS2「戦国無双」(2004年2月11日)

初出:PS2「戦国BASARA」(2005年7月21日)
【戦国無双シリーズの明智光秀像】【戦国BASARAシリーズの明智光秀像】
●織田信長よりも若い容姿(1での設定年齢は25歳)●織田信長よりも若い容姿
○温和で理性的な性格○殺人を快感とする嗜好の持ち主
●丁寧語で話す●丁寧語で話す
●長髪の美青年(戦国無双独自の設定)●長髪の美青年(戦国無双の設定の流用か)
●2以降は袴を着用している(1のボーナスコスチュームが好評だったため)●袴を着用している
○戦国無双2では信長を信奉○シリーズを通じて織田信長に強く執着し、彼の苦悶を見たいと願っている
○「戦国無双2 猛将伝」で娘のガラシャが登場してからは父親らしい側面も○味方にダメージを与えることができるため、自軍でも恐れられている
○武器は日本刀○武器は死神を連想させる鎌
△濃姫とは従兄妹の関係△濃姫とは幼馴染の関係
●3では山崎の戦いの後も生き延び、覆面を着用して生活している様子が描かれる●織田家滅亡後が舞台の3では覆面を着用し、「天海」と名乗る
【一般的な明智光秀像】
・織田信長よりも6歳年上(1528年生まれ)
・美濃出身。斎藤道三の側室となった小見の方は光秀の叔母で、小見の方の娘・濃姫は光秀の従妹にあたる
・自分を手ひどく扱った信長を恨み本能寺の変(1582年)を起こしたとの説が有力だが、詳細は不明
・天下統一を目前にしていた織田信長を裏切り、逆賊と評価された期間が長い
・信長を死に追いやった直後、山崎の戦いで秀吉に討たれる
・信長に「キンカ頭(禿頭)」のあだ名をつけられたという逸話が残る
・和歌や茶の湯を好む文化人で、優れた政治家でもあり、善政を布き領民から慕われた
・鉄砲の名手
・疱瘡を患う妻・煕子を愛し、生涯側室は持たなかったのは戦国武将では珍しい
・ルイス=フロイスは光秀を「裏切りや密会を好む」(『日本史』)と評した
・山崎の戦いの後も存命し、南光坊天海(後述)となって江戸の発展に尽力したという俗説がある

【南光坊天海について】
 南光坊天海は、江戸時代初期に徳川家康の幕僚として活躍した僧。諡号は慈眼大師。家康に用いられる以前の経歴には不明な点が多い。
 家康の神号を「東照大権現」と定めたり、江戸の北東(鬼門)に寛永寺を創建したり、江戸の都市計画にも深くかかわるなど、陰陽道や風水に基づいた江戸鎮護を構想した。
 関ヶ原の戦いに参加していたとの説もある(関ヶ原町歴史民俗資料館所蔵『関ヶ原合戦図屏風』の家康本陣に「南光坊」と記された人物が配置されていることから)。

 光秀と関連付けられるのは、天海が築いた日光東照宮の陽明門にある随身像の袴に光秀の家紋である桔梗紋がかたどられていること、彼の墓所の日光に「明智平」という地名があること、光秀の家老斎藤利三の娘が徳川家光の乳母(春日局)になったことなどに起因するが、あくまでも俗説の域を出ない。
戦国無双3 天海
戦国無双3 遁世した明智光秀
戦国BASARA3 天海
戦国BASARA3 天海
【戦国無双3の明智光秀】
 山崎の戦いで明智軍は潰走するが、光秀は生き残り、身を隠す。徳川家康に迎え入れられた彼は、関ヶ原の戦いで東軍につくことになる。
 ムービーの中で覆面をしているのは、反逆者となった光秀が世を忍ぶ姿をイメージしているもの。
 これは、俗説として流布している「明智光秀=南光坊天海」説を採用した演出となっているが、ゲーム中で光秀が天海と名乗ることはない。
 2009年10月30日にプロモーションビデオが公開された際、覆面姿の光秀が映し出されたのが初出。

 余談ながら、コーエーは2006年11月発売の「戦国無双2 Empires」でも「明智光秀=南光坊天海」説を採用したミニイベントを用意している。
【戦国BASARA3の天海】
「戦国BASARA3」に明智光秀は出てこず、新キャラクターとして「天海」なる人物が登場する。冠する四字熟語は「慈眼傍観」で、慈眼は史実の諡号からきているものか。
 しかし、顔に覆面をしている以外は、前作までで登場した明智光秀とまったく同じ外見・性格である。
 小早川秀秋(西軍所属が後に東軍へ寝返る)の側近として登場するが、家康との関係は特にない。
 やはり俗説として流布している「明智光秀=南光坊天海」説を採用したものであるが、2010年3月31日のゲーム雑誌のフライングゲットが初出。

 戦国BASARAスタッフが戦国無双シリーズを意識しているすると、明智光秀を「天海」として3に登場させたことは、スタッフ独自のアイディアとは考えにくい。