キャラクター

■勢力ごとの人選:武田軍


 両シリーズでは、ともに武田信玄・真田幸村・忍者が武田軍としてくくられている

【信玄と幸村の主従関係】
 本来ならば活躍年代に大きな差がある武田信玄と真田幸村が主従の関係にあるのは、戦国無双シリーズ独自の設定である。
 幸村の祖父・幸隆、および父・昌幸が武田家に仕えていたことを踏まえてそのような設定にされているらしく、「戦国無双」で描かれる幸村は幸隆と昌幸の事績を吸収しているようである。
 他の戦国時代小説や映画に同様の設定が登場したことはなかったのだが、BASARAではこの信玄・幸村主従設定をそのまま踏襲している
 BASARAシリーズは多少年代が違っていても知名度の高い武将をキャラクター化する傾向があるとはいえ、馬場信房・内藤昌豊・山県昌景・高坂昌信など、武田信玄に仕えた名将は多いのに、あえて活躍年代がずれる真田幸村をメインキャラクターとして採用したのは、戦国無双シリーズの設定を流用したためと思われる。

【「御館様」の呼称】
 また、両シリーズの真田幸村は、それぞれの主である信玄のことを「御館様」と呼んで慕っている。
 本来、「御館様(正式には御屋形様)」という呼称は、室町時代に発生した「屋形号」を持つ人物に対する尊称である。屋形号は名門あるいは功績ある武家の当主のみに許されており、史実の武田家は有力な名門大名だったので室町幕府から屋形号を許可されていた。このため、屋形号を持つ大名を家中の人間が呼ぶときは「殿」ではなく「御館様」を使うことがあった
 ゆえに、「御館様」と呼ばれる大名は同時代に何人もいたわけであって、何も武田信玄のみがそう呼ばれていたわけではない。
(戦国時代を舞台にした大河ドラマを見ても、上杉謙信や今川義元などが「御館様」と呼ばれていることがある。無双シリーズの中でも「戦国無双3」で登場した甲斐姫は、屋形号を持つ主君である北条氏康を「御館様」と呼んでいる)

 以上のことから、必ずしも「御館様」の呼称が無双シリーズからの設定流用につながるものではないということが言える。
 しかし、BASARAシリーズでは武田信玄以外に「御館様」と呼ばれているキャラクターがいないことも事実であり、プロデューサーの小林裕幸氏が「(ゲームを作ろうとした当初)真田幸村については存在すら知らなかった」と公言していることから、BASARAシリーズスタッフが開発当初、無双シリーズを参考にした上で「武田信玄は『御館様』と呼ばれるべき唯一の人物だった」と勘違いした可能性は大いにある

【忍者たちの二重主君】
 くのいちと猿飛佐助は、真田幸村に仕えながら、幸村の主である武田信玄にも仕えるという設定が重複。

【各キャラクター設定の重複まとめ】
 真田幸村 / くのいちと猿飛佐助